フィンランドでオーロラ観測新婚旅行

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オーロラを見たい、という妻の夢をかなえるべく、(何回目かの)新婚旅行ということで2017年2月にフィンランド北部サーリセルカ(Saariselka)、カクシラウッタネン(Kakslauttanen)までオーロラを見に行きました。

オーロラの写真は私のコンパクトデジカメでは撮るのが難しかったので絵葉書から拝借しました。バルブ撮影(露光時間を任意に調整する)で5秒から10秒くらい露光すると撮れます。

肉眼ではここまで明るく見えませんが、実際のオーロラの見え方もおおむねこの絵葉書通りです。緑色メインの光のカーテンに赤やピンク、紫といった光が添えられるといった光景です。

オーロラ観測

オーロラが見られる確率

どれくらいの確率で見られるの?と聞くと大抵、旅行中に見られるのは五分五分というように言われます。今回、私たちは3泊しましたが初日だけ見られました。初日だから飲んだくれて寝るか、としなくて本当に良かったです。

どこで観測するのか

どこでもどうぞ、という感じです。オーロラは規模が大きいので現れればどこからでも見られます。ただし木が邪魔になることがあり、空の開けた場所は明るいうちに見つけておくと良いです。リゾートの受付で申し込めばオーロラハントツアーなるものに参加できますが、ドリンク・送迎付きで空が開けたところに連れて行ってくれるだけにしてはちょっとお高いなと思い遠慮しておきました。

カクシラウッタネンではグラスイグルーに泊まればぬくぬく観測ができます。しかし我々は残念なことに、グラスイグルーに泊まった晩は大雪でした。

他にカクシラウッタネンWest Village内であれば、受付のある建物にドームバーがあるのでそこでもぬくぬく観測可能ですし、サンタクロースの家の近くにある橋や受付棟からケロイグルーまでの道の途中は空が開けていて観測に適しています。

サーリセルカの村からではリエコンリンナホテルからスキー場に向かう道は空が開けていてお勧めです。

基本的にお金持ちの旅行者がほとんどなので夜中でも安全だと思います。サーリセルカのバー近辺で酔っ払いに絡まれたりしなければたぶん大丈夫。

オーロラリゾート、カクシラウッタネン

カクシラウッタネンは最寄りのイヴァロ空港から30分ほど車で行ったところにある、オーロラ観測リゾートです。幹線道路沿いのEast Villageと少し幹線道路から奥に入ったWest Villageがあります。様々なタイプの小屋があり、中には室内からオーロラ観測ができるものもあります。ここでは今回泊まったWest Village内のログキャビン、ケロ造りのグラスイグルーなどを紹介します。

予約

今回、公式HPから予約をしました。その時備考欄に到着便と空港からの送迎を希望すると記入したのですが、確認メールなどは結局来ませんでした。若干不安でしたが、空港の手荷物受取のところにスタッフがいたのでバスに乗ることができました。一報くれるだけでいいのに北欧の人々は必要最低限の仕事をするということでしょうか。

ちなみに、昼過ぎ着でしたが空港の外には客待ちタクシーも無く、レンタカーカウンターにも人がいませんでした。レンタカーを当てにしていたと思われるアジア人が途方に暮れていました。事前の足の確保はマストです。

アクセス

サーリセルカのホテルに宿泊する場合も含めて、ヘルシンキからイヴァロ(Ivalo)空港まで飛行機で行って、前述のようにバスなどでホテルに向かうのが一般的だと思います。空港からはサーリセルカまで20分、カクシラウッタネンまではさらに10分といったところです。

ログキャビン

暖炉やサウナを備えた小屋です。テレビも無いので静かな時間を過ごすことができます。ミニキッチンにダブルベッドと2段ベッドがあり、4人家族が泊まるのにちょうどよい大きさです。

内装は木でできた温かみのあるデザインで、落ち着きます。部屋は暖かく、外がマイナス20度であることを感じさせません。

本当に静かで、しーーーーんという音が聞こえます。

暖炉はフルサービスでやってくれると受付で聞きました。とは言え、使い方の説明図もくれたので、キャビンそばの薪小屋から薪をもらって自分たちでつけてしまいました。煙の排出がうまくいかず火災報知機を鳴らしてしまったのはいい思い出です。

ケロ造りのグラスイグルー

設備はログキャビンとほぼ同じですが、2段ベッドの部屋の代わりにガラスドームがあってそこにシングルベッドが2台並べてあります。しかも電動リクライニング付き。雪は勝手に落ちることもありますが、薄く積もると落ちないのでそこは自分で落とすシステムです。部屋が温まると積もった雪が水滴になるので少し厄介です。

受付棟

チェックイン・アウトや各種アクティビティの申し込み、お土産物屋さん、レストランなどがあります。軒先にあるソリは自由に使ってよくて、荷物を運ぶのに便利です。

お土産物屋さんにある白い毛皮はハスキーにも見えますがトナカイだそうです。フィンランドではトナカイ肉を料理するのでたくさん余るのでしょう。空港にもいっぱい売っています。ポストもありました。

レストラン

レストランは受付棟に併設されているのでそれぞれの小屋から、近い小屋なら1分、離れたところなら5分くらい、外気温マイナス20度なので完全防備の防寒が必要です。

朝食はビュッフェ形式で、ハムやチーズ、ヨーグルトなど欧米式の内容です。場所柄かフレッシュな野菜や果物は少なめです。

夕食は日替わりでビーフ、チキン、魚、トナカイの中から2種類が当日の選択肢としてあり席に着いたときに注文します。飲み物は別途お会計。毎日夕食の時間を受付に伝えておく必要があります。トナカイ肉はジンギスカンほどではありませんがやはり癖があります。魚も正直、臭みがあって今一つでした。

観測タワー

工事中でしたが、近々オープンする気配でした。エレベーターで昇ってタワーの上部のドームから全天見渡せる状態でオーロラ観測ができるようです。

足を延ばしてサーリセルカへ

幹線道路沿いのEast Villegeまでリゾートの車で送ってもらえます。そこからはサーリセルカの循環バス。カクシラウッタネンからは朝夕の往復でそれぞれ一本しかないので時間を要確認。この時は、

10:35、カクシラウッタネン発

16:50、カクシラウッタネン着

だけでした。

サーリセルカはラップランド地方のオーロラ観測の拠点となっているところで、8軒のホテルとスーパーマーケット、レストラン、ツアーガイドなどが集まっています。人口は350人らしいです。

多くの観光客はここから犬ぞりやスキー、スノーモービルなどのアクティビティに出かけます。

ちなみにスーパーマーケットはフィンランドで一番お値段が高いらしいです。あれだけ辺鄙なところならさもありなん。

意外と上級者向けローカルなスキー場

サーリセルカの村のはずれにこじんまりとしたスキー場があります。リエコンリンナホテルから徒歩で15分ほどだけども、サーリセルカ循環バスを使うのが楽でいいですね。

谷の両岸の傾斜にゲレンデ配置しているためか、すべてのコースで山頂よりベース側の傾斜がきついです。つまり、滑り出しは緩やかだけども、フィニッシュは高傾斜を一気に滑り降りるというスタイル。コース中央はしっかり整備されているので、度胸一発で滑り降りれば爽快です。

雪質は最高。降雪量は少ないものの日照時間が極端に短いのでコース脇には新雪が結構残っています。これがまた、板がよく走る。

山頂からは森林限界の雪原が見渡せます。北海道のように山頂だけ森林限界というのと少し違い、遠くまで来たんだなあという気持ちです。

ちなみに、ダウンヒルスキーばかりではなく森の中を滑るクロスカントリーも盛んで、村の周囲の林道がそのままコースになっています。

費用

気になるのが費用ですが、カクシラウッタネンはやはり高級と言っていいほどお高かったです。

カクシラウッタネン

予約サイトなどでも安くはなく空室もなかったのでダイレクトに予約しました。

品目 (EUR)
ログキャビン(一泊2食付き、Tax込み) 585.22
ケログラスイグルー(一泊2食付き、Tax込み) 959.34
送迎(イヴァロ空港~カクシラウッタネン、片道一人) 27.00

サーリセルカのホテルなら例えばリエコンリンナホテルのツインで一泊150ユーロぐらいです。

スキー場

3時間レンタル+リフト券で60ユーロでした。3時間は短いような気がしますが、小さいスキー場だし、食事休憩なしで滑り通せばまずまずの満足感。ちなみに昼が短いので10時半からのオープンでした。ナイター設備はなかったし、未確認ですがひょっとしたら冬至前後はクローズするのかもしれません。

感想

オーロラ抜きにしても、もう一度行きたい。その魅力が北極圏のリゾートにはあります。

延々と広がる極北の大地、頭の中にたまった雑念がスッと抜けていく静けさ、そして、時間が止まったような空間。間違いなく現代社会のストレスから逃避できます。

森林限界を超えた果てしなく続く雪原の素晴らしい景色のゲレンデでゆったり滑るのもまたこの上ない解放感。

もちろん、オーロラの美しさも見飽きない。

数年に一度は北極圏に1週間ほど滞在して心をリフレッシュする。ぜひ自分の人生に組み込みたいものです。